屋台と言えば思い浮かぶのがラーメンですが、もうひとつちょっと一息という意味ではお酒がつきものではないかと思います。ここではお酒について幾つかお話していきましょう、、、  
 
  屋台で楽しく飲んでいるこのお酒がなぜ「サケ」と言われるようになったかには色んな説があります。

ひとつには、もともと「栄え水」と呼んでいたものが サカエ〜サケエ〜サケとなったというもの。 確かにお酒を飲むと気分がパーッとしてきて気持ちが「栄え」てきますよね。何だかとてもハッピーな語源だと思ったりします。あとは「避ける」から来たという説もあります。これを飲めば「寒気や邪気を避ける」ことが出来るというお酒の効用からきているというものです。たまご酒なんていうのもあるくらいお酒には体に優しい功徳があったりもします。しかし、どちらの説をとるにしてもお酒というものはある種厳しい現実を乗り切るためのパワーの源ということなのでしょう。
 
 
 

ところが、そのお酒が与えてくれるパワーは人によって様々な方向に向かっていくようです。
それは、異常に明るくなったり落ち込んでみたりといったこと、お酒の世界では「三上戸」って呼ぶらしいです。すなわち、泣き上戸怒り上戸笑い上戸、あなたの周りにも居ますよね(笑)。

江戸時代にはこんな話もあったそうです。

「泣き上戸の人がお酒を飲んでいくうちに昔のことを思い出してわんわん泣き始める。それを見た怒り上戸、こんなに楽しい酒の席でどうしてそんなに泣きわめくのかと烈火のごとく怒り出す。そんな二人を見 た笑い上戸、何の泣くことも怒ることもないのに可笑しなことだと笑い転げる。」

今でも屋台で飲んでいるとそんな光景に出会ってみたりして。昔も今も変わらない風景がそこにはあるようです。

 
 
  そう、そんなことからも分かることですが、お酒って割とひとりで飲むというよりは大勢で飲むものだというイメージがありませんか?ひとりで飲むにしてもやっぱりお酌をしてもらったりもして。日本では古来より手酌でこっそりお酒を飲むなんていうのはみっともない・情けないことであるとされていたようで、人柄を重んじる者にとっては ひとりで飲むなんていうのは考えられないことだったそうです。それでも 家に帰っても酒の相手をしてくれる人が居ない人や 奉公人・出稼ぎの職人などもお酒が飲みたい。そこで屋台に出向き、大将にお酌をしてもらったり話を聞いてもらったりしてお酒を飲んだそうです。そんなところにも お酒と屋台の深い関係はあったようです。  
 
  お酒にまつわる話って意外にあるもんなんですね。そんなお酒を飲みながら、お友達とわいわい語り合うもよし、ちょっとさみしいひとり者のあなたは大将としみじみ語るもよし、そんな、、、心のオアシスとして屋台に足を運んでみてはいかがですか。
 
<文:栗谷>